おとぎ話 地球ってどんな星? その2

地球ってどんな星? その1

 

続きを話そうか。

 

地球の子と宇宙から来た子は、そりゃあもう仲良く暮らしたんだ。

何もかも上手くいっていたの。

沢山与えた分、沢山尽してくれた。

宇宙から来た子は、どんな地球の子の姿も愛したし、それを否定しなかったの。

地球の子は、我先にと宇宙から来た子の思いを汲み取ろうとして、地球の子同士で、宇宙の子を見習うようにしたつもりの姿が争いだったの。

これには宇宙から来た子はガッカリしてね。

やめさせたいのだけれど、何を言っても誤解しか生まれなくて、修正しようとすればするほど、誤解が広がっていったの。

「どうして?」

 

どうしてだろうかね?

地球の子も困っていたんだ。

宇宙の子が突然意地悪になったように思えたんだよ。

地球の子は、ただ褒めて貰いたいだけだったからね。

 

「褒めてあげたらいいのに〜」

 

そうだね。褒めてあげると良いんだけど、最初は褒めまくったんだよ。

これ以上にないくらいにね。

その褒め言葉以上に、地球の子は物事をよく覚え、真似て、伝え広め、豊かさを持ち始めたんだ。けれど、褒められないことが起きたんだよ。

それが、地球の子が、他の地球の子を嫌うようになってしまったんだよ。

 

「どうして?」

 

宇宙から来た子と関われる子と、関われない子が居たからだよ。

 

「みんなと関わってあげたらいいのに〜」

 

そうだね、宇宙から来た子は、人を嫌うということがよく分からなかったんだよ。

 

「え〜、嘘だ〜」

 

どうして嘘だと思うんだい?

 

「え〜、嫌っちゃうよ〜、嫌なことされるとさ」

 

宇宙の子たちは、それがなかったんだよ。嫌っても、嫌わないの。
でも、地球の子たちは、嫌っても嫌わない姿はもっと残酷なことをしでかすようになり、次第に傷つけるようなことも平気でするようになってしまったんだ。

 

「怖い〜」

 

そうだね、とても怖い。

宇宙の子たちは、怖いというより、どうしてそうなるかが理解出来ずに困ったんだよ。

何を伝えても、届かなくなっていったからね。

そして様子を見ることにしたんだ。

宇宙の子たちとは争おうとはしなかったからね。

態度は、教えた通り礼儀正しく、言うことも丁寧だったからね。地球の子たちが嘘をついていることはわかりきっていたし、裏で人を傷つけるような真似を繰り返していることも承知していたけれど、原因が何かが分かるまでは、そのままにしておいたんだよ。

 

 

 

「どうして? やめさせるようにしたら良かったのに」

 

そうしてあげたかったんだけど、色んな事がわかる宇宙の子からは、地球の子たちがどうしてそう振る舞うのかが解明出来なかったんだよ。

嘘をつく、傷つける、それらを全て引っ捕らえて、刑罰を与えて更正するということはないというのは宇宙の子たちは学んでいたからね。だから、効果のない手立てを使う気にはなれなかったんだ。

 

「罰を与えないの?」

 

罰を与えないんだ。

罰を与えられて、君は言うことを聴くようになるかい?

 

「聴くよ、痛いの嫌だもの」

 

それは、表向きだろう? 心の底から、悪かったって感じられたかい?

 

「ううん、絶対悪くないって思っている」

 

そうだろう? その心で罰を与えて言うことを一時的に聴かせても、意味はないからね。

 

「えー、でも〜、罰がないのも怖いなぁ。力ある子が勝っちゃうじゃない」

 

そうだね。本当にそうだね。

力ある子が勝つと、どんな世界になっていくと思うかい?

 

「え〜、世の終わり? 悪で支配された、暗くて怖くて辛くて、生きていたくない世界かな?」

 

ははは、想像力たくましいね。

うん、そうそう。そんなイメージがみんなあるだろう?

 

「えー、何がおかしいの?」

 

おかしいよ、笑っちゃえるよ。

これが分からないのは、疑い深いはずの頭がうまく働いていないって証拠さ。

 

「何それ〜、意地悪〜」

 

おやおや、嫌ったのかい?

 

「嫌ってないけど、嫌な感じした」

 

おかしな言葉だね。

嫌な感じがしたのに、嫌ってないの?

 

「ん〜、少し嫌ったかも」

 

正直だね。それでいいよ。

 

こうして、笑ったりするだろう?

するとね、人は嫌な感じを受けてしまうことがあるんだ。

本来は、笑ったら、笑い出すものなんだ。

それが起きないということが、普通でないってことなんだよ。

それが地球の子にどうしても伝えようがなかったんだ。

 

最初はそうじゃなかったんだ。

笑ったら、笑ってくれた。

でも、段々と笑顔が失われていったんだよ。

それをどうにも止めることも出来なかったし、原因を突き止めることも出来なかった。

そして、人を傷つけては、褒めて貰おうとしてきたんだよ。

それで宇宙から来た子たちは困り果てたんだ。

 

「人を傷つけて、褒めてもらうなんて変だよ」

 

そうだね。でもね、モノを覚えられない人のこと、どう感じる?

そうだな、例えばテストの点が取れない子とか、練習してもうまくならない子とか。

 

「え〜、何かもう、今責められている気がする〜」

 

そうか、そんな風に感じているんだね。

同じように関わって、同じようにモノを覚えて、練習すれば同じ結果に至るものだと思うことが普通だと地球の子たちは思ったんだよ。

だから、出来ている子は褒められて、出来ていない子は褒められないようにしてきたんだ。

その出来た子たちが、「ほら、褒めて」と誇らしげに宇宙の子たちの前に来るから、どう答えて良いか分からなくなったんだ。

途方に暮れたんだよ。

 

「教えてあげてよ」

 

そう、教えたんだ。

人には様々な特徴があり、同じように関わっても、同じようにはならないとね。

でも、それを伝えると、地球の優秀な子たちは「責められた」と嘆くんだ。

そうして、宇宙の子たちと、地球の子たちとの間に、どうすることも出来ない隔たりが生まれてしまったんだ。

 

そして、何を話しても伝わらなくなってしまったんだ。

 

「悲しいね」

 

そう、とても悲しいことが起きたんだ。

 

 

さぁ、今日はここまでだ。

また続きが気になればおいで。

 

 

地球ってどんな星? その1

出来ることと出来ないことの間に隔たりはないよ。

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