それもまた夢だと笑えばいい その4

−それもまた夢だと笑えばいい− その1 その2 その3

 

奇妙な感覚に襲われた。

何かが覆い被さって、思うように体が動かない。

黒い、ゴムのようなシートのような感じがした。

 

道を歩いていた。

知らない場所だ。

薄暗く、時間はハッキリとしていない。

景色を見ても、今ひとつ何か焦点が合わないような曖昧さが残る。

それに対して何とも思わない。

いつも考える、それが働かない。そんな感じだ。

この通りの先は……。

 

 

そう思うと、池の畔にあるカフェで談話している中に紛れていた。

見知らぬ男女が、親しげに話し合っている。

同じテーブルにいる。

こちらにはお構いなく話しているが、「少しは気を使え」という思いが働くと共に、親しげにこちらに話しを振ってくる。口は動いているのはよくわかるが、聞こえない。

何を言っている?

 

それを伝えようとしてみると、池に浮かぶボートの上に居た。

その変化を疑問にも思わず、ただ軽く揺られている小舟の感覚に、言い知れぬ悪寒を感じていた。何か、よくない。それはわかる。

ボートは私一人で、周りに船を漕いでいる人はいない。

静かだ。

岸に戻らないと、とオールがない。

そんなはずはない。と思うと、船尾に備え付けのオールがついていたのに気づく。

粋なボートだな。船頭でもいなけりゃ、使えないのでは?

先ほどの悪寒とは別の楽しみを見出していた。

 

池に墜ちた。

水中に沈む中、どうやって墜ちたのかよくわからなかったが、仕方がない、浮かばないと。

何だか、やけに沈む。

これじゃ、水面に上がれやしないじゃないか。

浮力がない。

泳げるはずなのに!

沈んで行く。

視界が暗くなる。

暗くなる。

心のどこかで懸命に息を止め続けているのがわかる。

ダメだ。

 

 

全身が黒い塊のようなもので包まれている。

水圧なのか?

ゴムの中にいるような。

ダメだ、もう持たない。

ぐふ。

 

 

息を吸うと共に、何か重苦しいものを一気に吸い込んでしまった感覚に囚われて、目が覚めた。

吸い込んだときの何とも言い難い不快感が、どぅっと体中に流れ込んでいくのを感じた。

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。

 

肩で息をしていた。

時計は先ほどから10分しか経っていない。

額から汗が落ちるほどの夢を見ていた。

断片的に思い出せる夢も、思い返す内にスゥっと消えていく感じを受けた。

ただ、息を吸う不快感の気持ち悪さだけは覚えていた。

 

 

着替えながら、夢であったことをホッとしている自分を見つけた。

 

 

 

どちらが夢なのかわかるのだろうか?

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