それもまた夢だと笑えばいい その7

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部屋の鍵を開けるのに手間取る。

鍵穴に刺さらない。

慎重になれ。

体の機能がおかしい。

手元が狂うってこういうこと言うんだろうなと冷静に見ている自分もいる。

 

 

玄関を開けて、すぐ脇にある扉を開ければ……壁だ。

いかん、実家と混同している。

ここは、オレの部屋だ。

真っ直ぐ進んでキッチンの先にある扉を開けて自分のベッドに倒れ込む。

やばい。

使いたくない言葉だなと思うが、その言葉以外に自分の状態を自分に伝えるいい言葉が見当たらない。

混濁する意識とはこういうものか? にしてはまだハッキリしているとも思う。

まずは寝よう。

 

 

脱ぎ散らかしたまま、寝ようとするが意識が冴えてくる。

眠れないときの感覚だ。

これは末期だ。

そう自分で判断した。

自分でも相当な無理や負荷をかけているのか。そう捉えるしか説明がつかない。

面倒くさいことになったな。

自分のメンテナンスはしていたつもりだが? それより今はこの異常事態に対処しなければ。

病院の時間でもない。

明日はさすがに休むとしよう。

ぐるぐるとあちこちへと考えを巡らすが、「寝る」以外に選択したくないものばかりだ。

よりによって、浮かぶ顔が別れた彼女三人だったり、母親だったりと、自分の伝ての無さ加減にゲンナリする。そして呼んでどうする? という思いもある。

友人はいないこともない。

この醜態をさらして、ネタにされるのは避けたい。

つまらぬことを考えるな、と自分でも思いつつ、半年ほど前別れた彼女に状況を伝えた。

 

頭痛、めまい、動悸、多汗、回復の兆しなし、立てない、寝られない。
これに該当する薬求む。
金払う、タクシー代出す、買ってきてください。
言う通りにする。

 

それで送信した。

こいつとは、あれこれオレのやることなすこと全部笑うのが耐えられなくなって「相性悪いと思うから、別れよう」と前振りなしに、断ち切った女だった。

 

 

 

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